姿勢をよくする

年を重ねてもシュッと背筋を伸ばし、若々しくありたい。そう望んでも、加齢とともに体の柔軟性は低下し、姿勢の悪さや下がり気味のお尻が気になり始めます。

自宅で気軽にできる「家トレ」ブームは、何とか体形を保ちたいという人々の心理を映し出しています。

「魔法のストレッチ」として注目されているのが、太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)をほぐす「ジャックナイフ·ストレッチ」です。
提唱しているのは徳島大学教授(運動機能外科)の西良浩一さんです。

スポーツで腰を痛めた小中学生にハムストリングスが硬い選手が多いことから、元々は競技への復帰を目指す選手を対象に、けがの予防策として活用していました。
しゃがんで足首を握るところから始めます。

次に、胸部を太ももに寄せた状態で膝をできるだけ伸ばし、10秒間保ちます。

この動作を朝夕5回ずつ行います。

膝に変形や痛みがある人は避けた方がいいでしょう。
膝下から股関節、骨盤へとつながるハムストリングスをほぐすと骨盤を動かしやすくなります。

その結果、腰への負担が減り、自然と背筋も伸びるのだといいます。
酉良さんが大人と子どものデータを取ったところ、ともに1か月で立位体前屈の値が平均約20センチ伸びました。

高知県は、県内の小学校の体育の授業などで継続して取り組み、スポーツテストの前屈の値を向上させています。
ストレッチでハムストリングスに刺激を加える習慣を付けると、お尻の位置もキュッと上がり、見た目も若々しくなります」と酉良さん。

閉経後に骨密度が低下し、姿勢が悪くなりやすい女性には打ってつけと言えそうです。