乳酸菌が歯周病やストレスにも効果が

ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌の効用は、整腸作用にとどまりません。
1つは、免疫力の向上があげられます。白血球の一種で、体内への病原体の侵入を防ぐナチュラルキラー(NK)細胞を活性化させます。健康な高齢者がヨーグルトを食べた後インフルエンザなどの呼吸器感染症にかかりにくくなったとの報告もあります。
歯周病の予防にも期待が寄せられています。
日本大学松戸歯学部助手の小林良喜さんらが、乳酸菌を3週間与えたマウスと、全く乳酸菌を与えないマウスに分けて実験を行いました。双方のマウスに歯周病菌を2週間与え、1か月後に調べると、乳酸菌を与えていないマウスは、与えられたマウスに比べて歯肉が炎症でむくみ、歯を支える歯槽骨も減るなど、歯周病が進行していました。
乳酸菌の中には、ストレスの軽減効果があるものも確認されています。
北海道情報大学教授の西平順さんらは、北海道江別市内の32~76歳の男女約220人を2グループに分けて、2011年9月から3か月間、2種類のヨーグルトを1日100グラム食べてもらう研究を行いました。
このうち、乳酸菌の一種・ガセリ菌を含むヨーグルトを食べたグループは、ストレスホルモンである「コルチゾール」の血中濃度の増加が抑えられ、コルチゾールの分泌を促す副腎皮質刺激ホルモンの量が明らかに減少していました。
西平さんは「乳酸菌は感染症への免疫だけではなく、ストレスに関連した病気の予防につながる可能性がある」と意義を語ってます。