NK細胞の働きを良くしましょう

疲れがたまると、体調を崩しやすくなります。原因の多くは、ウイルスや細菌などの病原体です。
これらから身を守るためにも、体が備えている「免疫力」を高めたいです。
免疫のバリアは全身に張り巡らされています。第一のバリアは、皮膚、そして気道や消化管などの粘膜から分泌されるたんぱく質です。これらを突破して病原体が体内に侵入すると、血液中に含まれる白血球が第二のバリアとして活躍します。
白血球は、顆粒球、単球、リンパ球に分類され、細菌そのものを食べたり、ウイルスに感染した細胞を攻撃したりする働きがあります。
病気の発症を防ぐ免疫機能の中で中心的に働くのがリンパ球で、T細胞とB細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞で構成されます。
順天堂大学特任教授(免疫学)の奥村康さんは「平時にパトロールするお巡りさんがNK細胞。持ちこたえられず戦争状態になった時、出動する軍隊がT細胞とB細胞」と例えています。
病気を未然に防ぐ鍵を握るのは、NK細胞です。
この細胞は、ウイルスに感染した細胞を撃退し、がん細胞を見つけると増殖前に死滅させます。NK細胞の働きが良いと、風邪をひきにくく、発がん率も低いことがわかっています。
ですが、NK細胞は60歳を過ぎると働きが悪くなります。昼間は活性化しますが、夜間には働きが低下します。深い悲しみやいらだちなどストレスにさらされ続けることでも悪影響を受けやすいです。
奥村さんは「規則的な睡眠やバランスの良い食事など、生活習慣を改善することで、NK細胞の働きを良くすることは可能だ」と言っています。