乳酸菌が免疫機能を改善

体内への病原体の侵入を防ぐ「ナチュラルキラー(NK)細胞」。
これを活性化させる食べ物として注目されているのが、乳酸菌です。
英国の栄養専門誌に2010年、日本の研究結果が掲載されました。
山形県舟形町佐賀県有田町に住む健康な高齢者計約140人を2グループに分け8~12週刊、一方にはブルガリア菌の1種である「R-1乳酸菌」を使ったヨーグルトを1日90グラム食べてもらい、もう一方には牛乳を1日100ミリ・リットル飲んでもらいました。
その結果、両町とも、NK細胞の働きがもともと悪かった人たちがヨーグルトを食べると、働きが顕著に改善していました。
さらに、摂取後の問診や血液検査などの結果、ヨーグルトを食べていたグループは、「風邪やインフルエンザにかかるリスク」の数値が、牛乳のグループの4割以下に減少していました。
研究者の一人で明治食機能科学研究所の元乳酸菌研究部長の池上秀二さんは「ヨーグルトの効用は整腸作用が知られているが、免疫機能についても、毎日手軽に摂取できる量で改善する可能性がある」と話しています。
乳酸菌と免疫力の関係について、順天堂大学特任教授(免疫学) の奥村康さんは「腸にはNK細胞が多く集まっており、乳酸菌が適度に刺激することで、細胞を活性化させているのではないか」とみています。
免疫力を高める食品は、乳酸菌以外にもビタミンCや、キノコ類に含まれる多糖体の「βグルカン」などが知られています。これらはNK細胞だけでなく、他の免疫細胞の働きを活性化させる効果も期待できます。