風通しを良くして、カビの感染症の予防を

梅雨に入ると、じめじめして、台所や風呂場などでカビを目にすることも少なくないですす。
食べ物のカビはもちろん要注意ですが、カビは知らないうちに体内に入り込み、病気を引き起こす原因になります。
カビは目に見えないですが空気中に浮遊しており、その数は1立方メートル当たり約1000個。毎日1万個以上を私たちは吸い込んでいるといいわれています。千葉大学真菌医学研究センター教授の亀井克彦さんは「通常は、人間に備わる免疫力で防げますが、感染してしまうと治療が難しく、死に至ることもあります」と話します。
一口にカビと言っても、確認されているだけで、約30万種類に上ります。このうち人間に感染するのは、約100種類です。亀井さんによると、日本病理学会のデータを解析すると、国内の病院で亡くなった患者の20人に1人が、カビの感染症を発症しており、中でも、肺に入り込むものは厄介です。
健康な人でも、吸い込んだカビが肺に感染したり、アレルギーを起こしたりする病気があります。注意を要するのは、アスペルギルス症と夏型過敏性肺炎です。肺の細胞が壊されるなどして呼吸ができなくなります。進行すると薬も効きにくいです。部屋の風通しを良くするなど、カビが好む環境をつくらないことが一番の予防法です。
亀井さんは「カビはどこにでもいるので、いつ誰が病気になってもおかしくない。風邪と見分けがつきにくいが、しつこいせきやたん、発熱などの症状が出たら、カビによる感染症も疑ってほしい」と注意を呼びかけています。