運動直の後に乳製品を摂って筋肉をつけましょう

筋力は20歳代をピークに、30歳代から10年ごとに5~10%衰えますが、運動直後に乳製品を摂取すれば、効率良く筋肉を増やすことができます。
信州大学教授(スポーツ医科学) の能勢博さんによると、ややきつい運動の後は、エネルギー源として筋肉に貯蔵されているグリコーゲンを多量に消費し、運動直後の1時間は筋肉組織が傷みます。この時に筋肉を補強しようと、「グルコース輸送体」という組織が活発化し、たんぱく質や糖質を積極的に取り込みます。れらの栄養成分をバランス良く含む牛乳を飲むと、筋肉を強化できるといいます。
能勢さんらの研究でも、そのメカニズムは裏付けられています。41~78歳の女性35人に5か月間、1日15~30分の速歩を週4日以上続けてもらい、運動後30分以内に乳たんぱくと糖質の補助食品を摂取する人と、運動のみの人に分けて筋肉量の変化を調べました。
その結果、乳たんぱくを摂取していた人たちの方が、太もも裏側の筋肉量と、膝の曲げ伸ばしをする屈曲筋の筋力が向上していました。
摂取量の目安は、中高年はコップ1、2杯、若者は3、4杯でも構わないです。ヨーグルトやチーズなら、ジャムなどで糖質を補うのがポイントです。
「ややきつい運動」は、歩きながら友人と軽く会話ができる程度の負荷で歩く方法です。5分程度で動悸を感じて息が弾み、10~20分で汗ばむ状態です。
能勢さんは「途中で休憩をはさんでもよいので、1日15~30分の運動を週3日程度続けてほしい」と話しています。